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第12話

彼のスケジュール帳にある特別なデート記録や、現在彼のベッドを彩る遊び相手のリストにはもう慣れた。彼はきっと征服した相手の数を刻む場所としてヘッドボードのスペースなど、とうの昔に使い果たしているのだろう。それも私が彼に決して心を開かない理由のひとつだ。彼は尻軽だ。

「はい、社長」ドアを閉めながら、私は分厚い木のドアを通して顔をしかめる。毒づいて中指を立てたい衝動に驚く。彼が私から引き出す反応に慣れて、もっと無表情でいられるよう努力しなければならないだろう。彼には努力もなく、理由もなく私をイラつかせる能力があるようだ。そしてそれを分析する気さえ起きない。

二十分後、マーゴが戻ってきて、ようやく...