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第520話

秘境の中も、外の世界と同じく夜だった。昼と夜は現実世界と同期していたのだ。

暗闇の中でも、イーサンは山へと続く石段を照らすランプのおかげで周囲を見渡すことができた。

セレスティア・ベイルとタイガーマウントは全く異なる雰囲気を持っていた。タイガーマウントが景観の美しさを重視しているとすれば、セレスティア・ベイルは壮大で威厳があり、厳粛な雰囲気を漂わせていた。

「イーサン、俺の中庭でくつろごうぜ」レイモンドが突然現れ、大きな笑顔で言った。

イーサンが何かを言う間もなく、レイモンドは彼をさっと抱え上げた。気がつくと、彼らは小さな中庭にいた。

正直なところ、この場所はレイモンドのような人物に...