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第32話

ノア

ビーチから私の家までの距離はそれほど長くなかったが、あまりにも興奮していたせいで、何マイルも運転しているような気分だった。途中で車を止めて彼女を抱きたいという衝動に何度も駆られた。

「楽しんでるだろ?」私はダリアを見やりながら尋ねた。彼女が笑い声をあげ、髪を肩越しに投げやって私の方を向いた。なんて美しいんだ。彼女の喉に残した吸ったあとに目をやり、顎をこすった。もっと彼女に痕を残したかった。

「かもね」

「...あと数分で笑えなくなるぞ」と私は道路に注意を戻しながら言った。彼女はまた笑い、私たちがほぼ目的地に着いたことに気づいてハンドルを強く握りしめた。ようやく建物が見えてき...