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第15話

ノア

「今入り口を通ってるところだよ」と、グッドマンズの扉を通りながら電話で父に言うと、父は電話の向こうで何か声や物音がしながら不満そうな声を出した。

「嘘だろ」父は少し怒っているように聞こえたが、責められない。過去3回の通話でも全く同じことを言っていたのだから。

「本当だって。今ロビーにいるよ」

「アンダーソンさん!」巨大な受付カウンターにいる警備員のネイサンが私を見つけると、明るい表情で呼びかけてきた。「おはようございます!」

私は微笑み返して手を振った。「おはようチャーリー。調子はどう?」

「とても良いですよ、sir」とネイサンが答える一方で、父は「...わかった、本当...