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第72章

イザベラはドアをノックする音を聞き、開けると、花々と豪華なビロードの箱を抱えた使用人たちが立っていた。執事長が一歩前に出て、彼女に箱を差し出し、頭を下げた。好奇心に駆られ、イザベラはそれを受け取り、蓋を開けると、中には見事なサファイアのティアラが収められていた。王からの贈り物だと思い、彼女は驚きを覚えた。しかし、添えられた手紙の封蝋にダミアン王子の紋章が押されているのに気づいた。

困惑と不安を感じながら、彼女はドアまで付いてきたアリセントの方を向いた。「なぜダミアン王子がこんな贈り物を私に送るの?まるで私に求婚しているみたい」

アリセントは状況を考慮しながら、表情を真剣にした。「おそらくそ...