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第68章

王はハーレムの浴場を侍女たちに念入りに準備させた。湯気が熱い湯から立ち上り、ハーブとオイルの香りと混ざり合っていた。豪華な環境にもかかわらず、王に仕える側室はイザベラただ一人だけだった。

イザベラは優雅で目的に満ちた動きで王に近づいた。彼女は一つずつ王の鎧を脱がせ始め、金属が床に当たる柔らかな音が響いた。捨て去られる鎧の一つ一つと共に、戦いの重圧が彼の肩から取り除かれていくようだった。最後の鎧を取り外すと、切り傷と打撲で傷ついた強く筋肉質な体が現れた。

「優しくしてくれ」と王はつぶやいた。珍しく脆さを見せる声色で。

「はい」とイザベラは柔らかく答え、その瞳には思いやりと優しさが満ちていた...