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第44章

イザベラは炎の神殿に足を踏み入れると、空気が古代の力で脈動しているように感じた。神々と英雄たちの物語を描いた精巧な彫刻で飾られた壁が彼女の周りに高くそびえ立ち、揺らめくたいまつの光の中で踊る長い影を落としていた。彼女は小さな息子をしっかりと胸に抱きしめていた。赤ん坊は産着に包まれ、見慣れない環境に目を丸くして驚いていた。

彼女の隣では、王が目的を持って前進し、その動きは彼らを待ち受ける神官と巫女たちから敬意を集めていた。彼らの衣は神殿を通り抜ける優しい風に揺れ、香と煙の香りを運んでいた。

イザベラは聖なる炎に近づくにつれて背筋に震えを感じた。その輝かしい光は、この世のものとは思えない光で部...