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第177章

タリアは質素な宿の窓辺に座り、静かな村を見つめていた。彼女の心は重く、思考は果てしなく巡り続けていた。間違いを犯したのだろうか？宮殿から逃げ出し、知っていたすべてを置き去りにする—彼を置き去りにする—それは耐え難いことだった。

彼女は目を閉じると、まるでイッカーが目の前に立っているかのように鮮明に彼の顔が浮かんだ。彼の笑顔、温かさ、揺るぎない優しさ。彼女の唇はキスの記憶でうずいた—初めてのキスで、そして彼女が恐れていたように、最後のキスかもしれない。彼はとても優しくキスしたので、今後別の男性に触れられるなんて考えられなかった。

あなたは愚か者だわ、と彼女は自分に言い聞かせた。彼女が...