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第170章

夜は静寂に包まれ、暖炉の柔らかな薪の音だけが響いていた。祝賀の日々が過ぎ、王室の居間は静まり返っていた。アマラが生まれ、健康な子供の喜びはイザベラ女王の出産の疲労で和らいでいた。その後、宮殿は落ち着き始め、ドラゴン王と女王は休息のために引き退いていた。

イッカルは本能か、あるいは運命に導かれるように、最年少の妹が眠る育児室へと足を向けていた。彼は薄暗い部屋を覗き込み、絹に包まれたアマラの小さな姿を見つめながら、かすかな微笑みを浮かべた。

そして、揺りかごのそばには、タリアがいた。

彼女は最初、イッカルに気づいていなかった。アマラの毛布を直すことに集中していたのだ。ランタンの柔らかな灯りが...