ドラゴン王の妾

第123章

イザベラは評議会の前に立ち、表情は穏やかながらも決意に満ちていた。彼女が思考をまとめる間、周りの貴族たちは互いにささやき合い、女王が何を提案しようとしているのか不確かな様子だった。彼女は安定した視線で手を上げ、彼らの注目を集めた。

「今日皆様をお呼びしたのは、私が決断を下したからです」彼女は揺るぎない声で切り出した。「竜王に和平の申し出をするつもりです」

信じられないというつぶやきが部屋中に広がった。貴族たちは驚愕の表情を交わし、椅子に乗り出す者もいれば、信じられないという様子で互いにささやき合う者もいた。パラー卿だけは黙ったまま、イザベラに視線を固定していた。

貴族の一人、灰色の髭を生...