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第11章

テダ夫人がイザベラをハーレムへ連れ戻す間、緊張感のある沈黙が空気を重くしていた。その静寂を破るのは、回廊に響く二人の足音だけだった。イザベラの心は最近の出来事で頭がいっぱいで、公爵との遭遇や、その後の王との対立で、まだ胸は高鳴っていた。

ハーレムに入ると、突然の騒ぎに出くわした。いつもの静かな女性たちの会話が、大きな噂話とちらちらとした視線に変わっていた。テダ夫人とイザベラが部屋を通り抜けると、すべての視線が二人に注がれ、張り詰めた緊張感が空気を満たした。

ダラ夫人は、怒りと苛立ちに歪んだ表情で最初に口を開いた。彼女の声は鋭く非難するものだった。「なぜイザベラが王の寝室に連れて行かれたの?...