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第969話ヴィンセントはゲームをやり終えた

翌朝、セリーンは自然に目を覚ました。長年の社会人生活で鍛えられた体内時計が、午前六時四十分きっかりに彼女の瞼を開かせたのだ。

体中がひどく軋むように痛む。遮光カーテンが固く閉ざされているため、部屋はまだ真っ暗で、早朝だと思い込んでしまった。彼女は寝返りを打って二度寝に入った。

その時点では、セリーンは二人の間に何が起こったのか、まだ気づいていなかった。ただ全身が不快だった。

それに、体が動かしづらい――何かが重くのしかかっている。

その重みがヴィンセントの腕だとは、まだ認識できていなかった。

生まれて初めて、ヴィンセントは自室で深く眠っていた。彼女が寝返りを打って離れようとするのを感...