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第607章

帰宅後、セイディはどこか不安を感じていた。ミカが何度も彼女に自信を与えてくれたにも関わらず、セイディはまだクレメンス家の当主と向き合うことに躊躇していた。

セイディが初めてクレメンス家の当主に会った時、彼女は誇りと自信に満ちていた。当時、彼女はミカと距離を置きたいと思い、関係を終わらせることさえ考えていた。

しかし今は違う。彼女はミカと結婚したいと思い、自分には期待があるからこそ、クレメンス家の当主に自分を受け入れてほしいと願っていた。そのため、彼女は傷つきやすくなっていた。

「階段を上がって休むのを手伝おう」

ミカがセイディを支えて階段を上ろうとした時、外から車の音が聞こえてきた。

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