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第127章

セイディはためらい、おそるおそる尋ねた。「時給、二千八百ドルですか? 聞き間違いではありませんよね?」

「もし安いと思うなら、交渉の余地はあるが……」と、バーのオーナーが申し出た。

「いえ、とんでもないです。高すぎるくらいです」セイディは有頂天になって答えた。「昇給するには、何か受賞歴の証明書でも提示しないといけないと思っていましたので、まさか……」

「証明書なんていらんよ。聴けば腕はわかる」オーナーは笑って遮った。「さあ、裏で準備してきなさい」

「はい、ありがとうございます」セイディは嬉しそうに言い、ウェイターについて楽屋へと向かった。

アランはグラスを揺らしながら、セイディから視...