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第1177章

「ええ、わかってるわよ」とセイディーは、いらだちを隠そうともせずに言った。「でも、そんなの関係ないわ。私は誰かの飾りじゃないし、誰かの出世の道具になるつもりもないってことを知ってほしいの。ただの私よ。それで付き合えるなら、いいわ。無理なら、別にいいわ」

「さすが私たちのセイディーさんね」とアニカは、にやりと笑いながら答えた。セイディーの決意に心から感心していた。「妥協しないのね?」

「ルイ公爵夫人はこれまでのところ、結構穏やかだったわ」とセイディーは考え込むように言った。「少なくとも今のところは、敬意を持って理解してくれてる」

アニカは小さく鼻で笑った。「まあ、ルイ家はまだジェームズさん...