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第52話

「ねぇ、美しい人。

この美しい花々は、この美しいレディのためのものよ。あなたの唇に笑顔をもたらしてくれたらいいな。

パーティーで起きたことと、そのニュースについて聞いたわ。気にしないで。あなたはそれよりも素晴らしい人だって知ってるでしょ。だから...笑って。

トビアス」

その花は私が望んでいた人からのものではなかった。

失望を心の奥に押しやりながら、私はメモを置いた。続いて花束も。

トビアスが話していたニュース、正確に言えばスキャンダルは、この瞬間の胸の痛みに比べれば何でもなかった。だからニュースが何を言おうと、同僚の何人かが私に何と呼ぼうと、気にしなかった。

でも彼が何を言うか...