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第35話

彼はデートに誘ってきた?

私は目を丸くして彼を見つめた。

「明日の朝、10時きっかりに準備しておけ」

「まだ承諾してないわ!」

彼の口元に小さな笑みが浮かんだ。「選択肢はないよ、ラブ。忘れたの?あなたは友達のためにここにいるんだから」

今度は私は顔をしかめた。「これは脅迫よ!」

くすりと笑いながら、彼は腕を私の腰に回した。「知ってる?怒った顔のあなたはとても可愛いんだ」

彼が私の鼻にキスをすると、お腹の中で蝶が舞い上がった。そして、私は彼の温もりの中でとろけてしまった。

デートを強要されたことに怒るべきなのに、怒れなかった。彼を押しのけるべきなのに、代わりに彼の腕の中に身を寄せ...