邪悪なアルファ

第59話

「愛する者よ、選びなさい。私のベッドサイドに来るか、私の悪い面を見るか」

彼の目は、あの愚かな氷山にぶつからなければタイタニック号を溶かしてしまうほどの不吉なオーラを放っている。

確かに。彼は地獄のように魅力的だ。性の神のような肉体を持っているが、それに見合う魂は持っていない。彼はただのひどく無礼で、傲慢で、操作的で、穴だらけのクソ野郎だ。

彼の腕を引きちぎって、それで彼を叩きたい気分だ。バービー人形でよくやっていたようなことを。

でも、ここに落とし穴がある。私は彼のメイトであり、狼男たちはメイトの前では猫のようになることを知っている。なぜなら狼は月よりも強くないからだ。だから彼のこの芝居...