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第527話テイラーはグレイスを騙して帰宅させる

「グレイス、君は…」ザビエルの瞳が少し揺れた。

いつもはグレイスがこういった事に積極的になることは稀で、通常はザビエルの方が強引だった。

「嫌なの?」グレイスはザビエルの首をさらに引き寄せた。

「もう遅いわ」そう言って、グレイスはザビエルの首筋に噛み付き、再び唇を重ねた。

これ以上我慢するなら、ザビエル自身が損をするだけだった。

ザビエルはグレイスの腰に腕を回した。もはや抑えきれなかったが、それでも赤ちゃんを傷つけないよう慎重だった。

部屋は親密で曖昧な雰囲気に包まれ、光に照らされた二人の絡み合う姿が壁に影を落としていた。

ザビエルは本当に出張に行きたくなかったが、海外での案件は...