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第421話

グレースの目は、繊細な花に宿る朝露のように潤んでいた。「お願い、やめて。お願いだから」と彼女は懇願した。

だが、彼女のそのか弱い一面が、ザビエルの内なる闇を煽るだけだとは、彼女は知る由もなかった。

彼はぐっと顔を近づけ、囁いた。「グレース、ねだり方がなってないな」

「そんな風にされると、もっとめちゃくちゃにしたくなる」

そしてザビエルは、優しくも有無を言わせぬ激しさで彼女を抱いた。

グレースが再び目を覚ましたときには、もう昼に近かった。

「このクソ野郎!」と彼女は吐き捨てた。

グレースはザビエルに飛びかかり、血が滲み始めるまで彼の首に強く噛みついた。

ザビエルの首筋に血管が浮き...