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第389話

プライベートルームはワインで溢れており、なぜかスターリングはすでにトランプを準備していた。

「何か勝負しよう。ただ飲んでるだけじゃつまらない」スターリングはカードをシャッフルしながら言った。「負けた方が飲むってのはどうだ?」

グレースはまずグラスから一口飲んだ。「私、カードゲーム苦手なの。今から負けを認めておいたほうがいいかも」

「どうかな」スターリングは長い脚を組みながら、手慣れた様子でカードをシャッフルした。「前回みたいにラッキーが巡ってくるかもしれないよ」

グレースは俯き、苦い微笑みを浮かべた。「運なんて存在しないわ。前回は私に勝たせてくれたんでしょう?もし運が存在するなら、それ...