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第21話
「これは私が今まで見た中で最も素晴らしい芸術作品だ」
長時間描き続けると私を包み込む集中力と静けさの小さな泡から突然引き出され、私は顔を上げた。アスターだ。彼女は私の窓際に寄りかかり、午後遅くの風が彼女の黒い髪を軽く揺らしていた。彼女の目が私と合い、赤い唇が上向きに曲がった。彼女の手には緑色の包みがあることに気づいた。
彼女は私の完成した肖像画、驚いた表情のダリウスに向かって頷いた。「見事ね」
私はニヤリと笑い、自分の傑作を掲げた。「あの最高の表情を忘れる前に紙に残しておこうと思ってね」
「そっくりのコピーをいくらで描いてくれる?」アスターが尋ねた。
私は首を振った。「お金はいらない...