Read with BonusRead with Bonus

第75話

(コールの視点)

私は数日間、路上をさまよい歩き、逃げ出したという決断を心底後悔している。病院の部屋にビコディンの瓶を置いて出てきた時には予想もしなかったほど、全身が痛みに悲鳴を上げている。ムーア医師は私の怪我の程度について詳しく説明することはなかった。ただ、怪我が多数あり、かなり深刻だと言っただけだ。

食べ物も住む場所もほとんどない路上生活は、私の決断を生きた地獄に変えた。唯一の救いは、五月の穏やかな気候だけだ。私はゆっくりと南西方向に向かって歩いている。なぜその方向に引き寄せられるのか理解できないが、本能だけが私の導き手だ。

病院にいた時と同様、悪夢は大きな不安の源だ。それぞれの悪夢...