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第56話

私はリュックを地面に置き、ジョンがくれた小さなLEDライトを取り出す。それを使って踏み慣れた小道を見つけ、あまり目立たないように地面に向けて照らす。安堵したことに、歩き始めてから1時間以内に最初の小屋を見つけることができた。中に滑り込み、後ろからドアに鍵をかける。懐中電灯を使ってマッチ箱を見つけ、カウンターに置いてある油ランプに火を灯す。歯がカチカチと鳴る中、小さな炎で手を温める。外の気温は急激に下がり、天気を教えてくれるテレビや電話を持っていないことを今さら呪う。春のはずだからといって、雪が降らないとは限らない。

次にガスコンロに火を付け、やかんに水を入れる。静かに火にかけながら、ホットチ...