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第96話

生きがいとなる瞬間。

今朝、目を開けたとき、ベッドから出たくなかった。精神的にも肉体的にも疲れ果てていると感じながら、両手のひらで顔をこする。ようやく手がかりを掴んだが、それで嬉しいわけではない。むしろ、腹が立つ。彼女に対して馬鹿げた非難をしてしまい、今や彼女は私をクソ野郎だと思っているだろう。罪悪感に苛まれながら、髪をかき乱す。彼女は心を開いてくれたのに、私は彼女に泥を投げつけた。彼女を求めることと、この事件を追い続けることには限界がある。

布団を投げ捨て、寝室のドアを蹴り開け、壁に叩きつける。息は荒く、苦しい。電話を叩き壊し、床に投げつけたい衝動に駆られる。タリアは私を癒してくれる存...