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第65話

インド

「本当に最高の席を確保できたの?」私はドーラに尋ね、スタジアムを見下ろした。オリバーの夏休み明け初の試合で、彼はいつからか分からないほど前からこの話ばかりしていた。

「もちろんよ、この眺めを見て。それに、これからはあなたもVIP待遇よ。だって、モーガンと付き合ってるんだから」ドーラは茶目っ気たっぷりの笑顔で指摘する。私は目を回し、二人で席に着いた。

オリバーと私は素晴らしい夏を過ごした。彼がフィールドに姿を現すのを見ると、私たちが一緒になれたことがまだ信じられない。最初は過去が私たちの関係を壊し続けるだろうと思っていた。最初の数日間、橋での悪夢が私の内側をひっくり返し、汗びっしょり...