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第93話

デレク

私たちはまだ4階にいて、持てる全ての力で戦っている。この警備員たちは終わりのない流れのように次々と現れ、一人倒しても新しい敵が出てくる。ヘイゼルの盾で守られていないことも私たちの足を引っ張っている。毒矢や銃弾を避けながら接近戦をしなければならないからだ。それでも私たちは踏みとどまっている。この国で最強のパックの一つである理由はちゃんとあるのだから。

突然、マインドリンクが開き、ヘイゼルの声が頭の中に響く。

「デレク、助けて!」

「キトゥン、どうした?どこにいる?」私は彼女にマインドリンクで返そうとするが、彼女は応答せず、絆を通じて何も感じ取れない。気を失っているに違いない。

ア...