守るためのもの

第49話

母は顔を上げて首を横に振り、答えるなと私に告げる。涙が目に溢れ、どうすればいいのか分からない。もう一度母を苦しませることも、あの苦痛をもう一度受けることもできない。

「チクタク、チクタク、時間が過ぎていくわよ」とその声が私を嘲る。ああ、この女を見つけて喉を引き裂いてやりたい。

「時間切れ」と彼女が宣言する。

再び電流が電線を通して走り、今度は母は抵抗する力さえ見出せず、前かがみになったまま、電気ショックで体を震わせ、皮膚が黒く焼け焦げていく。何かしなければ。どうして今日は狼の力が現れないの？お願い、狼よ、これを止めて、お願いだから、目を覚まして、目を覚まして！

しかし何も起こらない。こ...