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第32話

デレク

私は彼女を追いかけ、出口に辿り着いた彼女の腕を掴む。

「待って!話し合う必要があるんだ!」半ば懇願し、半ば命令するように言った。

「今更話したいって?遅すぎるわ。それに私はあなたに何も言うことなんてないわ」

泣いたせいで彼女の声はかすれているが、それでも彼女の言葉の毒気は薄れていない。

彼女は腕を振りほどこうとするが、私は離さない。こんな形で彼女に去られるなんて御免だ。

「離して!」彼女は精一杯の力で叫ぶ。

私は忍耐を失い、屈んで彼女をじゃがいも袋のように肩に担ぎ上げ、パックハウスへ向かって歩き始める。彼女は決して大人しくはなく、パックハウスまでの道中もパックハウスの中も、私が自...