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第24話

デレク

建物を出るとすぐに、ヘイゼルは右に曲がり、地下鉄駅の方向へ向かい、さよならも言わずに立ち去ろうとする。

僕は彼女の腕を掴み、振り向かせる。

「ねえ、どこに行くの?まだ君の絵を見せてもらってないよ」と、落ち着いた口調を保とうと努力しながら言う。

「メールで送るわ。あなたが何か企んでるのは分かってる。私はそれに加担したくないの」と彼女は冷たく言う。

「君は具合が悪い。感情が不安定だ。もし地下鉄の中でまた発作が起きて、電車が脱線したらどうする?君自身も他の人たちも危険にさらすことになる。君の安全と他の人たちの安全のために、僕と一緒に来て」

彼女はイライラした表情を見せるが、僕の論理と子...