守るためのもの

第107話

「その角度からは、はっきり見えませんでした、申し訳ありません」とデリックは謝るように言った。

私の心臓は胸の中で不規則に鼓動している。頭がおかしくなりそうで、また涙があふれそうになる。今すぐこの車から飛び出してデレクを探したい。彼の安全を確かめるためなのか、それとも彼が私を裏切ったのかを知るためなのか、はっきりとはわからない。でも彼を見つけなければならない、彼が必要なんだ。

ルーカスが横から私を抱きしめる。彼の体は私の肌に触れると妙に冷たい。普段は彼の方が暑がりなのに。

「小さなオオカミよ、聞いてくれ。デレクはお前を愛している。彼はお前のメイトだ。エマのためにお前を捨てたり、危険な目に遭わせた...