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章 466 もう友達はあなただけじゃない

オーウェンの命令一下、ロイドがトロントーで生き延びるという夢は完全に打ち砕かれた。

そればかりか、王室はこの事件をきっかけに、軍からさらなる権力を奪い、その力を削ぎ、裏社会に痛烈な一撃を与えようとしているようだった。

この事件は本質的に、王室と軍との権力闘争であり、その下では暗流が渦巻いていた。

でなければ、ロイドもここまで大掛かりなことはしなかっただろう。

ナンシーは後からこのことをエヴリンに話したが、聡明で洞察力のあるエヴリンはとうに察していた。

彼女がそれ以上に気にしていたのは、ある名前だった――ビリーが口にした軍関係者、セバスチャン。

考えてみれば、不審な点は多く、実に奇妙...