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第276章

KSワールドホテル。

イブリンは事務所で、エイダの結婚式を計画していた時よりもさらに真剣に、宴会の企画提案書に目を通していた。

前回はクライアントがビジネス的に重要だったから全力を尽くしたが、今回はジョイスが家族だからだ。

「お嬢様、働きすぎですよ。三日間徹夜されましたよ。少し休んでください」ウィリアムは彼女にオレンジジュースのグラスを差し出しながら言った。コーヒーの飲みすぎが胃に悪影響を与えることを心配していた。

「今は休めないわ。宴会場は決まったけど、ジョイスのドレスがまだ完成していないの」イブリンは書類を置き、疲れた額をさすりながら言った。

イブリンはいつも書類の山と終わりのな...