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第91話

クイン

子供の頃、私たちにはナニーがいた。彼女は人間で、おとぎ話が大好きだった。いつも私たちに読み聞かせてくれたものだ。彼女のお気に入りは『美女と野獣』だった。私たちが狼人間だということを知っていた彼女は、私たちがその物語に共感できると思っていたのだろう。

私はいつも彼女がその物語を読むたびにイライラしていた。まるで私たちを馬鹿にしているように感じたからだ。なぜ私たちを、美しい少女に愛されることで救われたいと願う獣と呼ぶのだろう？

彼女が自分の家族を持つために辞めた時、私はとても嬉しかった。もうあの物語を聞かなくて済むと安堵したものだ。

もう少し大きくなって初めて気づいたのは、ナニーは私...