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第33話

クイン

彼女が私の言葉に驚いていることが感じ取れた。また、私たちに対する感謝の気持ちが私の肌から溢れ出ているのも分かったし、兄弟たちもそれを感じ取っていることも知っていた。もっとも、私たちはそれを知らないふりをしていたが。

私たちが感情を感じ取れることを彼女が知れば怖がるだろうし、それは避けたかった。命を救ったことへの感謝とは別に、彼女の中には不信感もあった。私たちが望むように彼女に近づくためには、その不信感が消えなければならなかった。彼女がすでに感じていることに追加する必要はなかったので、私たちは慎重に振る舞っていた。

父親以外の誰かに対して、私と兄弟たちがこれほど自分たちを抑制したのは...