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第179話

私はバルコニーに座り、ワイングラスを手で回しながら考え事に耽っていた。これは何なのだろう?私に休息はもう訪れないのだろうか?そんなはずはない。私には休息が必要だ。こんな生活を続けるわけにはいかない。次から次へと冒険や問題に巻き込まれ続けるなんて。私は疲れていた。ミアや兄弟たちが疲れていなくても、私は疲れ切っていた。

これは馬鹿げている。なんてタイミングの悪さだろう、完璧に間違ったタイミングだ。いとことの決闘を恐れているわけではない。いつか自分がアルファになることは分かっていた。生まれてからずっとその準備をしてきたのだ。私にとって見知らぬ話ではないが、今この時ではあってほしくなかった。

ドア...