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第165話

ジャスパーは怒りに満ちた表情で私の部屋に入ってきた。彼の目には憎しみが宿っていた。私は彼の無礼さに眉を上げたが、怒りはなかった。

ジャスパーは友人だったが、その関係を理由に礼儀を欠くような人間ではなかった。彼は私が国王になってからも、友情と義務の境界線をわきまえる数少ない人物の一人だった。彼が今のような行動を取るには、必ず理由があるはずだ。私はその理由が知りたかった。

なぜ彼があえてノックもせずに私の部屋に押し入ったのか。なぜ彼が罰を受ける可能性を知りながら、あのような怒りに燃えた目で私を見つめたのか。私は彼を怒らせるようなことをした覚えはなかった。彼が結果を考えずに行動するとも思えなかっ...