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第162話

ミア

関係性がどのように行動を変えるかは不思議なものだった。初めてアルバートを探しにここに来たとき、私たちは国境警備隊に止められ、まるで彼らから盗むために来たのか、それとも私たちから盗まれたものを取り戻しに来たのかと思うほど厳しく尋問された。

今は違っていた。警備兵たちはそこにいたが、まるで私たちを歓迎し、この地へと案内するために待っていたかのようだった。彼らは私たちを見るなり笑顔で頭を下げ、居心地が悪くなるほど私たちに気を遣っていた。

一人が手を伸ばしてクインの手にあったバッグを取ろうとしたが、クインは素早い反射神経でそれを避けた。そんなことをする必要はなかった。私たちは自分たちで荷物...