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第135話

クイン

これは私の時だった。これは私たちの時だった。ずっと彼らに信じてもらおうとしてきたのに、彼らは信じることを選ばなかった。もし彼らが信じていたなら、事態はここまで悪化していなかっただろう。今日起きたような惨事を見ることもなかっただろう。誰も傷つくことはなく、吸血鬼の王が花嫁を平手打ちする場面を見ることもなかっただろう。自分のした行為に気づいて、あんなにも打ちひしがれた彼の姿や声を聞くこともなかっただろう。

私が彼らに信じてもらえたからといって、起きたことを喜んでいるわけではない。どれも好ましいことではなかった。二人にとって幸せであるはずの日が、苦悩の日となってしまった。吸血鬼の王が愛す...