狼の玉座

第263話

ダヴィナの視点

「痛っ」と私は声に出して言った。カレブの家の裏手にある深い森を進んでいると、枝が腕を引っかいたのだ。Tシャツは素肌の腕をあまり守ってくれないが、少なくともジーンズは足を覆ってくれている。鳥たちがさえずり、日光が頭上の木々の葉の塊を通して覗こうとしている。昨晩あの目を見てから、ずっと落ち着かなかったので、誰のものだったのか何か手がかりを見つけられないか外に出てきたのだ。この辺りで折れた枝をいくつか見つけたが、決定的なものは何もない。匂いもゴミも、誰かがそこにいた形跡は何一つない。でも、私は確かに見たのだ。想像したわけじゃない、よね？

カレブが私を呼ぶ声が聞こえ、立ち止まる。彼...