狼の玉座

第250話

ダヴィナの視点

「朝になったら少し痛むかもしれないけど、お風呂を準備して体を綺麗にしましょう」私がうなずくと、彼はタオルごと私を抱きかかえて、お姫様抱っこでバスルームへ運んでくれた。彼がお風呂を準備するために私を下ろすと、私は濡れた布で自分の体を拭き、ほんの少量の血を確認した。それは私がもう処女ではないという明らかな証だった。私はシンクの蛇口で布をすすぎ、顔を上げると、背後に立つヴィンセントに驚いた。彼の目はほとんど赤く光り、私の首だけを見つめながら荒い息をしていた。

「マークしなければならない、ダヴィナ」彼が私に近づきながら掠れた声で言うと、私は彼の方を向いた。「ヴィンセント、痛いの？ま...