狼の玉座

第228話

ダヴィナの視点

私が目を覚ますと、セージが電話で話していた。

「ママ、ここでは完全に大丈夫よ。ダヴィナと最高の時間を過ごしてるわ」相手の言葉は聞こえないけど、セージのお母さんは彼女と同じくらい頑固なのだろう。セージがここに住むのは大丈夫だと納得してもらえることを本当に願っている。私は友達を必要としているし、特にこのカレブとのキスの一件以来、なおさらだ。

耳が聞こえないことと誘拐されたこと...昨日起きたことが信じられない。彼に対してすごく怒っていたのに、彼がキスをしたら全てが溶けてしまった。私はどこにいるのか、何を考えていたのかさえ忘れてしまった。感じたのは彼だけ、私の上で、あまりにも激...