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第212話

「ヴィンセント視点」

「何の話をしてるんだ、ケイレブ?」ベッドに座り、両手で頭を抱えている親友の狼男を見つめる。彼は自分のメイトを見かけたけど、本当に彼女かどうか100%確信が持てないと説明しようとしていた。

「なぜ彼女に近づかなかったんだ?目が合ったなら、彼女も君と同じことを感じたはずだし、そう簡単に立ち去ったりしないはずだ」私は血を一口飲む。ケイレブは立ち上がり、いつものように私の上に聳え立つ。くそっ、狼男アルファの遺伝子め。私自身、吸血鬼としては背が高い方だが、ケイレブが全身を伸ばして立つと、いつも巨大で威圧的に見える。

「すごく奇妙だったんだ、ヴィンセント。どうすればいいのか分か...