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第197話

ラカリの視点

まさか本気じゃないでしょ!彼がダリウスに私と彼の母親のどちらかを選べと言っているなんて信じられない!彼には選べるはずがない。

「冗談でしょ」

マーカスは無表情でダリウスを見た。

「冗談に見えるか?これはゲームじゃないぞ、ダリウス。お前が選ぶか、俺がお前の代わりに選ぶかだ」

ダリウスは唸った。

「そんなことできるはずがない!」

マーカスは私に歩み寄り、頬に手を置いた。それで私は嫌悪感だけでなく恐怖からも目を閉じた。

「俺は何でもできるんだ。今は俺にすべての力がある。お前じゃない」

彼はニヤリと笑い、私に身を乗り出して唇を押し付けてきた。予想していなかったので、私は...