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第196話

ダリウス視点

彼女は手を離して立ち上がった。私は驚いた顔で彼女を見つめ、冗談めかして目を細めた。

「逃げた方がいいぞ、ベイビー」

彼女は悲鳴を上げて私の書斎から飛び出していった。私は椅子から飛び上がり、彼女を追いかけた。廊下の向こうから聞こえる彼女の笑い声が私を微笑ませた。

「誰でもいい、ラカリを見つけたら捕まえてくれ」

ラウンジからラカリの悲鳴が聞こえ、私はニヤリと笑った。

「ライリー、離して!!」

「ごめんよラカリ、アルファの命令だから」

ラウンジに駆け込むと、ライリーがラカリの腰をつかんでいて、彼女はその腕から逃れようともがいていた。

「手伝いありがとう、ライリー。あとは任せてくれ」

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