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第153話

ラカリの視点

「ラカリ?」

私はクリスの方を向いた。

「うん?」

「今何してるの?というか、何かしたい?」

「うん、いいよ。何か考えてるの?」

「じゃあ、どこに行きたい?」

「歩きながら決めるのはどう?」

彼は微笑んだ。

「それもいいね」

私は微笑んで腕を彼の腕に絡ませ、廊下を歩き始めると、一つのものの周りに人だかりができているのが見えた。好奇心旺盛な私は、何が起きているのか確かめることにした。

私はクリスを引っ張って群衆を抜け、反対側に出たとき、息を呑んだ。

「わぁ」

私は軽く頭を振った。

「彼はあきらめないのね」

私が今見ているのは壁にスプレーで描かれたメッセージ。それが私に向けられたも...