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第145話

ラカリの視点

「行かなきゃいけないの?」

「そうよラカリ、これは儀式なのよ」

「だから?ここにいちゃダメなの?」

「みんなで行くの、これは決定事項よ」

私はため息をついて、母に髪の仕上げをさせた。なぜこんな行事のために着飾らなければならないのか分からない。大した重要なことじゃないのに。

「カリ、眉をひそめないで」

私は作り笑いをして、母は頷いた。鏡を見るように母が合図したけど、私はただ部屋から出て行った。母がうまくやってくれたことは分かっている。こういう行事のときはいつも上手にしてくれるから。階下に降りて父と兄に会うと、彼らは私を見て微笑んだ。

「素敵だよ、カリ」

「ありがとう、マキル。あな...