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76話

チャールズの視線は彼女の次第に赤く染まる唇に留まり、彼の口は欲望で乾いていた。

彼女の言葉を聞いて、彼は一歩近づき、彼女を見下ろすように立ち、かすれた囁きのような声で言った。「何て言った?」

「私が言ったのは、私が…」

彼女の言葉は突然途切れた。

チャールズは片手で彼女の頭の後ろを支え、もう一方の手で彼女の腰を包み込んだ。その動きは優しくも挑発的だった。

愛情表現においては、ダフネ・マーフィーは彼の相手になれなかった。一度のキスごとに、彼女は知らず知らずのうちに彼の支配に屈していった。彼の魅力は恩寵を失った悪魔のようで、抗いがたく中毒性があった。

わずかに残った理性だけが、ダフネを...