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第735話恋するライバルたち

ダフネをこうして見つめていると、チャールズの二十年近くも凪いでいた心が、再びざわめき始めた。

彼女のその強情さが、やはり好きだった。

「ダフネ」チャールズが不意に彼女の名を呼んだ。

ダフネは顔を上げた。「何?」

「もしあの時、俺が君にあんな仕打ちをせず、ケイラではなく、きっぱりと君を選んでいたら、君はそれでも俺のもとを去っただろうか?」チャールズは、どこか吹っ切れたような自然な口調で尋ねた。

「あなたのその質問に倣って言うなら」ダフネは言い返した。「もしケイラが本当に不治の病であなたのもとを去っていたら、あなたは彼女と私、どちらを選んだ?」

彼女がそう問いかけると、一瞬の沈黙が落ちた...