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第657話私の心は揺れる

ルイは、父と息子の間の暗黙の約束として、うん、と小さく応えた。

ベンジャミンは彼の髪をくしゃくしゃと撫でた。

ルイは抵抗したかったが、手を上げようとしたところで動きを止めた。

（まあいいか。チャールズさんがわざわざ迎えに来てくれたんだ。少しの間だけ父さんにやらせてあげよう。そうしないと、父さんが気まずい思いをするかもしれない）と彼は思った。

もしベンジャミンがルイの考えを知ったら、おそらく大げさに喜んでみせて、毎日ルイに髪を撫でさせてくれとせがむだろう。

ダフネとベンジャミンはルイ、ダイアナ、そしてチャールズと共に空港へ向かった。彼らが搭乗手続きを終えるのを見届けた後、彼女とベンジャ...